小説『計算する知性』のサンプルが『月刊群雛 (GunSu) 2014年10月号』に掲載! ── 夕凪なくもさんへのインタビュー

2014年9月25日

[作品情報&著者情報] 月刊群雛 夕凪なくも


月刊群雛 2014年10月号表紙

『月刊群雛 (GunSu) 2014年10月号』には、夕凪なくもさんの小説『計算する知性』のサンプルが掲載されています。これはどんな作品なんでしょうか? インタビューをご覧ください。




計算する知性


── まず簡単に自己紹介をお願いします。


夕凪なくも(ゆうなぎ・なくも)です。

月刊群雛さんにはとてもお世話になっています。

三月号には拙著『if』のサンプルを、四月号にはそのサイドストーリー(書き下ろし)を掲載させていただきました。五月号から九月号までは、ミステリ(警察小説)『贖罪』を連載させていただきました(七月号は休載)。

引き続き十月号では、サンプル作品でお世話になります。

主にTwitterで好きなことを気ままに呟いています。私の著作に関する情報も時々ツイートしますので、どうぞお気軽にフォローしてください。


現在Kindleストアで六作の電子書籍を販売しています。

刊行順に、

  • 関西を舞台にしたファンタジックな短編物語二編と、高校時代に書いたショート・ショートを含む『短編集「ジャンジャン横丁」』
  • 実験的な法廷エンターテインメント『またキミを好きになる』
  • 叙述ミステリ『ただ人のぬくもりを』
  • SF
    『if』
    『パニック』
    『計算する知性』

ジャンルが不明な(曖昧な)小説を好んで書く傾向にあるので、拙著を一概にジャンル分けすることは難しいです。


◆Twitter:
https://twitter.com/sazamekunami1
◆ブログ:
『なくもんか(T_T)』
http://sazamekunami.blog.jp/
◆Amazon著者ページ:
http://www.amazon.co.jp/-/e/B00G7DPSDS/


── この作品の内容を簡単に紹介して下さい。


主人公「僕」こと富沢一(とみざわ・はじめ)は、「闇屋殺し」のバイトで生計を立てている、大学生。二十二歳。

彼には愛美(あいみ)という同い年の妻と、三歳になったばかりの娘、綾(あや)がいます。いわゆる学生結婚をしました。

「闇屋殺し」のバイトは、アナザー・ライフプランニングという、表向き生命保険会社(実態はよく分からない)によって与えられた、かなり稼げるバイトです。

けれども彼には闇屋が一体何なのか、闇屋を殺すことは一体何を意味するのか、それすら分かっていませんし、そもそもアナザー社が自分にこのような割のいいバイトを与えてくれたことにも、疑問を持っています。

疑問を持ちつつも、彼は淡々と仕事をこなします。

何故ならまだ学生の妻と幼い娘を養わなくてはならない、という使命感があったから。

そんな彼の淡々とした日常でしたが、突然、かつて愛美を巡ってライバル関係にあった谷原(たにはら)という男と、トラブルが起こります。それをきっかけに、今までの様々な「謎」に対する疑問が再び彼に沸き起こってきます。

そもそもまったくモテる要素がなかった「僕」が、愛美という美人と学生結婚できたことも、「謎」ですし「奇跡」でした。

それらの「謎」を解こうとした彼の身に───というストーリーです。

谷原とのトラブルのシーンをサンプルに取り上げたいと思いましたが、R18の規定に抵触する表現があるのでやめました。



── この作品を書いたきっかけを教えて下さい。


第二回将棋電王戦(2013年)と第三回将棋電王戦(2014年)を、ニコニコ生放送で生でずっと見守っていた経験が大きいです。

電王戦とはプロ棋士五名とコンピュータ五台が、団体戦で戦うという内容で、結果的にはご存じの通り二年連続でコンピュータ側の圧勝となりました。その時にコンピュータ将棋の強さを改めて思い知ったと同時に、多少将棋にたしなみがあるので(日本将棋連盟道場で 初段程度)、コンピュータ独特の手などについていろいろと考えました。

「計算する知性」という言葉も、電王戦について語られた多くの記事の中で出てきたもので、詳細な内容は割愛しますが、電王戦で戦ったようなコンピュータソフト=計算する知性、と人間は将来的にどう向き合うか(付き合うか)といった点が議論の中心で、未だに議論されている内容だと思います。

こうした経緯や内容が「非常に面白い」と感じたので、それらを取り入れてさらに想像の枝葉を広げて、一つの物語として完結させてみたいと思いました。



── この作品はどんな人に読んで欲しいですか?


色んな人に読んでいただきたいですね。

一応SFとは銘打っていますが、厳密には当てはまらないんじゃないかと、常々疑問に思っています。

だから特に読者は選びません。

平凡な日常の中に、ぽつんと一つ奇異なモノやサイエンス(『計算する知性』で言えば、アナザー・ライフプランニングという謎の組織や、それが持つクラウド・コンピュータなど)が入るものが最近好きでよく書いているので(拙著前作『if』や『パニック』もそうでした)、そういう作品が好きな方であればハマると思います。

例えるなら岡嶋二人(おかじま・ふたり)さんの、『クラインの壺』のような作風が好きな方です。

勿論SFが好きな方に読んでいただけるのも大歓迎です。

また電王戦を観た、もしくは結果だけニュースやダイジェストで観てちょっと興味を持った、という方にも本作はおススメです。将棋とコンピュータがふんだんに出てくるので。



── この作品の執筆にはどれくらい時間がかかりましたか?


執筆そのものは一カ月ほどです。その前にプロット作成でうんうん唸って三カ月ほど悩んで、推敲には二、三週間ほど費やしました。



── この作品を書くにあたって影響を受けた作家や作品を教えて下さい。


特にありません。



── 注目している作家がいたら教えてください。


最近はドラえもんです。あんなに夢や希望や愛や友情や感動を、分かりやすく伝えてくれるマンガやアニメはなかなかない、と思います。毎週のアニメ放送はほぼ欠かさず観ていますし、幼稚園や小学校の頃夢中になった昔の声優さんのアニメをDVDで買って(ツタヤが近くにないので)、大人になった今もう一度観たりしています。そして密かに涙を流しています。



── 今後の活動予定を教えてください。


まずは『計算する知性』がある程度売れてもらわないと困ります(涙)

あまりに売れなくてかなり凹みましたが、何とか気合いで復活して、今、ぽつぽつゆっくりと新作を書いています。

これもSFというか、平凡な日常の中に「ポン」と奇異なモノやサイエンスが入ってくる、いつもの「なくもワールド」に仕上がると思います。

同じ書くなら、前の作品を超える水準のものを書きたいですね。

そう心がけているのですが、なかなか思うようにいきません。



夕凪なくもさんの既刊サンプルが掲載されている『月刊群雛 (GunSu) 2014年10月号』は、下記のリンク先からお求め下さい。