日本独立作家同盟は2月20日、3331 Arts Chiyoda のコミュニティスペースで、NPO法人化の記者発表会を行いました。以下、NPO法人化によって何が変わるのか、何が目的なのかについて、説明します。
記者発表会の概要は『セルフパブリッシング支援の「日本独立作家同盟」がNPOに改組 -INTERNET Watch』に、分かりやすくまとまっています。この記事の末尾に、YouTube動画へのリンクと、配布したプレスリリース、使用したスライドへのリンクも張っておきます。
何が変わるのか?
まず前提として、現在日本独立作家同盟に参加している方々の立場は何も変わりません。「一般会員」という位置づけで、これまで通り参加費用などはかかりません。もし心配だと思う方は、コミュニティの投稿もしくはメールでご相談ください。
当初から掲げている「既存の出版社に頼らず作家同士が助け合いながら作品を世に出していくための集団」や、「セルフパブリッシング(自己出版)についての情報交換や、作家同士の交流などを目的としたゆるやかな共同体」であったり、「伝統的な出版手法である、出版社から取次を経て書店に書籍を並べる商業出版『以外』の手段で、自らの作品を世に送り出す・送り出そうとしている人々が集う場所」といった位置づけも、変わりません。
では何が変わるのか?
活動を持続させたり、活動を発展していくために、運営方法を変えるだけです。手弁当で片手間の活動では、どうしても限界があります。ちゃんと法人として登記し「事業」として行い収益元を確保することで、持続可能性や発展性、公平性や透明性が確保されます。
何が目的なのか?
株式会社という組織形態は、儲けた利益を関係者に再配分することが最優先です。でも、出版なんて一部の爆発的ヒット作品以外、儲かりはしません。多くの出版社が「ギャンブルやってるみたいなもんだ」という感覚で事業を行っていると聞きます。
どうせ儲からないんだったら、儲けることを目的としなければいい。
だからNPO法人なのです。
営利を目的としないとは?
「非営利」とは、「無償」で事業活動を行うことではなく、構成員(役員、会員等)に利益を分配しない、ということです。
実際のところ「よし、NPO法人にしよう!」と決めてから、いろんな方に相談しました。すると、多くの方が「手伝うよ!」と言ってくれました。
役員へ就任いただく、竹元かつみさん、池田敬二さん、まつもとあつしさん、仲俣暁生さん、藤井太洋さん、長島伸光さん、西野由季子さん、志村一隆さん、大原ケイさん、江口晋太朗さん、天野治夫さん。大々的に発表する前から正会員の申し込みをいただいた、松田守正さん、仲里淳さん、高山みのりさん、田嶋淳さん。同じく、賛助会員の申し込みをいただいた、株式会社ブックウォーカーさん、株式会社BCCKSさん。セミナー登壇を快諾いただいた、堀田純司さん、橋本大也さん、高瀬拓史さん、大西隆幸さん、鎌田純子さん、持田泰さん、山本ゆうこさん、松島智さん、古田靖さん。そして、記者発表会のゲストに来ていただいた鈴木みそさん。
NPO法人の設立という話をきっかけに、ここまで話が広がっていくというのは完全に想像を超えていました。たぶん私が、誰よりも一番びっくりしてます。
話が広がったことで、例えばセミナー・勉強会など、これまで以上にさまざまな活動ができる見込みが立ちました。そうやって、今以上に「インディーズ出版」を盛り上げていきたいのです。それこそが、目的です。
趣旨に賛同いただける方は、正会員または賛助会員という形でご参加ください。一般会員は、正会員または賛助会員を兼ねることもできます。申し込みはこちらのリンク先にあるオンラインフォームか、以下のQRコードからどうぞ。
NPO法人の会員種別
会員種別 ※1 | 年会費 | 対象・補足 | 議決権 |
一般会員 ※2 | 無料 | 当団体のコミュニティに参加する個人 (主に支援対象者 ※3) | − |
正会員 | 1万円+税 | 目的に賛同して入会した個人および団体 | 有 |
賛助会員 | 5万円+税 /1口 | 事業を賛助するために入会した個人および団体 | − |
※2 一般会員は、正会員または賛助会員を兼ねることができる
※3 独立系作家を支援する側として、デザイナーや編集者などの参加も歓迎している
なお、設立総会は2月15日に行いました。役員の就任承諾書及び宣誓書が全て集まったら、東京都に設立申請を行います。2カ月間の縦覧期間を経たのち審査。その後登記という流れになります。
プレスリリース
第1部プレゼンテーションの様子(動画)
第1部スライド
第2部トークセッションの様子(動画)
第2部スライド
最後に、この場をお借りして、NPO法人化で名前を挙げさせていただいた方々以外にも、御礼申し上げます。群雛の制作をほぼボランティアで手伝ってくれた、晴海まどかさん、Yuki TANABEさん、八木原一恵さん、くつきちよこさん。ロゴマークを作ってくれた宮比のんさん。100名近くいるので全員の名前を挙げるのは避けますが、群雛に参加いただいたインディーズ作家の方々(刊行リストをご覧ください)。群雛を購入いただいた読者の方々。そして、コミュニティに参加して場を盛り上げていただいた方々。みなさまに感謝、感謝です。今後ともよろしくお願いいたします。